家族で知ろう!鯨と日本文化 〜捕鯨の歴史・種類・おいしい鯨料理〜

捕鯨

「鯨」と聞いてどんなイメージを持ちますか?日本では古くから鯨と共に生き、鯨を大切にしてきました。この記事では、捕鯨の歴史や鯨の種類、世界での鯨に対する考え方、そして都内で楽しめる鯨料理のお店をご紹介します。家族で楽しめる鯨の知識をお届けします!

鯨と日本文化、歴史や種類についてもっと知ろう!

捕鯨の歴史:日本と鯨の深いつながり

日本での捕鯨の歴史は、なんと縄文時代まで遡ることができます。古代から海岸に漂着した鯨を利用する「漂着捕鯨」や、船を使った「沖合捕鯨」が行われてきました。江戸時代になると組織的な捕鯨が始まり、長崎や和歌山といった地域が捕鯨文化の中心地となりました。鯨肉は、たんぱく質が豊富で貴重な食料源として重宝され、余すところなく活用されるエコな文化が形成されました。

しかし、20世紀に入り、商業捕鯨が世界的に拡大すると、鯨の個体数が減少し、保護の動きが高まります。現在、日本では厳しい管理のもと調査捕鯨や商業捕鯨が行われています。この伝統的な文化を守りつつ、国際的なルールを尊重する取り組みが続いているのです。

日本で獲れる鯨の種類 や 名前の由来は?

ミンククジラ

日本近海で獲れる鯨には、ナガスクジラ、イワシクジラ、ニタリクジラ、ミンククジラといった種類があります。それぞれどんな特徴があるのでしょうか?

  • ナガスクジラ
    体長は20〜25mにも及ぶ大型の鯨。名前は、下あごからおへそにかけてあるシマシマの線「畝(す)」が長いことに由来。なので、漢字で書くと「長須鯨」。脂肪が少なく、赤身が美味しいとされています。刺身やステーキ料理にぴったりです。

  • イワシクジラ
    ナガスクジラより少し小型で、体長は15〜20m程度。イワシの群れと行動を共にして、イワシなどの小魚を大量に食べることが名前の由来だそう。脂が乗った肉質が特徴で、煮込み料理や竜田揚げによく使われます。

  • ニタリクジラ
    ナガスクジラに似ていることが名前の由来。ナガスクジラより細身で歯が鋭いのが特徴です。淡泊で柔らかい肉が人気です。

  • ミンククジラ
    ミンククジラは、ヒゲクジラ類に属する中型のクジラで、体長は7~10メートルほど、体重は約5~10トンに達します。背中は濃い灰色で腹側が白い模様が特徴的です。世界中の海域に分布し、特に冷たい海域で多く見られます。食性はプランクトンや小魚が中心で、大量の水を口に含み、ヒゲで餌をこし取ります。比較的小型で繁殖力が高いため、他のクジラと比べて個体数が多く、国際的な商業捕鯨や文化的利用の対象になることもあるそう。

ちなみに2024年、ナガスクジラの捕獲が1976年以来48年ぶりに認められたそうです。ぜひ、どの種類の鯨が使われているのかにも注目してみてください。

鯨を食べない国や人たち

鯨料理が日本の食文化として根付いている一方で、世界には鯨を食べる習慣がない国や文化もあります。特に欧米諸国では、鯨を「海の生き物」というよりも「知能が高い哺乳類」として捉え、鯨は保護すべき存在という考え方が主流だそう。その背景には、絶滅危惧種の保護や、動物福祉への関心が強いことがあります。

また、鯨を知識面や教育面でしか知らない国では、「鯨を見る=観光資源」という発想が強い場合も。こうした違いは、国ごとの環境や歴史、文化の違いを反映しています。鯨に関する考え方は多様であり、理解を深めることが国際交流にもつながるのです。

その他にも、宗教上の教えやベジタリアンやヴィーガン、様々な考え方によって鯨を食べない人たちもいます。

宗教上の理由

  • ヒンドゥー教
    インドを中心としたヒンドゥー教では、多くの信者が肉食を避けます。動物を食べることが禁忌ではない場合でも、牛や海洋哺乳類のように神聖視される生物は、特に食べない傾向があります。

  • イスラム教とユダヤ教
    イスラム教では、食べ物の許可基準である「ハラール」に鯨が含まれません。ユダヤ教でも、食べ物の基準「コーシャ」に合わないため、鯨を食べることは認められていません。これらの宗教では、魚は「ヒレとウロコ」を持つものが食べられる基準に含まれますが、鯨はこれに該当しません。

ベジタリアンやヴィーガンの考え方

ベジタリアン

現代では宗教に関わらず、動物性食品を一切摂取しないヴィーガンや、一部の動物性食品を避けるベジタリアンが増えています。彼らの多くは、「動物の生命を奪うこと」に倫理的な問題を感じています。

鯨に関しては、絶滅危惧種であることや、鯨を捕る際の苦痛が倫理的に問題視されるため、鯨肉だけでなく全ての動物性食品を避ける選択肢をとる人も多いです。

鯨を観光資源として考える

ホエールウォッチング

食べないというより「食べたくない」という理由もあります。
例えばオーストラリアやニュージーランドでは、鯨は観光資源として重要視されています。観光客が鯨ウォッチングを楽しむため、鯨は「見るもの」という認識が強いです。このような国々では、鯨を食べること自体が不思議だと感じられる場合があります。

鯨を食べることについて、文化や宗教、価値観による違いを理解することは大切です。日本では食文化として根付いている鯨料理も、他国や他の人々には異なる意味を持ちます。こうした違いを知ることで、国際的な視点を広げるきっかけにもなるでしょう。

 

都内で鯨料理が楽しめるお店

東京でも鯨料理が楽しめるお店が増えています!いくつかの名店をご紹介します。

元祖 くじら屋 – 東京の鯨料理専門店(渋谷)に行ってみた

 

 

まとめ

鯨料理は日本の食文化の一部であり、国際的な視点を広げるきっかけにもなる食材ということが学べました。気になる方はぜひ一度、お近くの鯨料理店を訪れてみてください。また、その他の記事では、鯨文化のある観光スポットなどをご紹介しています。ぜひチェックしてみてくださいね。