神社で行われる「御祈祷(ごきとう)」は、神様に願いを届け、特別なご加護を授かるための神聖な儀式です。人生には、思いもよらない困難やトラブルが訪れることがあったり、最近なんかいいことないな、何かよくないことが重なっているなというときもあると思います。そんなときや、一年の初めのような節目には、少し肩の力を抜いて神様に頼ってみるのも一つの方法。日本には、長い歴史の中で多くの人々を支えてきた神社でのご祈祷の文化があります。ご祈祷は、心の重荷を軽くし、前向きな気持ちを取り戻すきっかけにもなります。今回は、ご祈祷の魅力とあれこれを紹介します。
ご祈祷の意味とは?
ご祈祷とは、神職が祝詞(のりと)を奏上し、参拝者の願い事を神様に伝える神社の儀式です。一般的な参拝は、神社の外から行いますが、ご祈祷は神社の社殿の中へ案内され受けることが多いです。お賽銭を入れてお参りするのとは異なり、個別の願いに応じて行われる特別な祈願であり、厄除けや家内安全、交通安全、安産祈願など、さまざまな内容に対応しています。
ポイントはここ!
- ご祈祷とは、神様に直接お願いする儀式
- 祝詞やお供え物を通じて、願いを神様に伝える!
ご祈祷の起源とは?
御祈祷の起源は古代日本にさかのぼります。農耕社会だった日本では、五穀豊穣や災害回避を願って神々に祈る「祈年祭(としごいのまつり)」などが行われていました。現代のご祈祷は、こうした祭祀の一部が個人の願いに対応する形に発展したものです。
ポイントはここ!
- ご祈祷は、古代から続く祈りの文化が起源
- 自然や神に感謝し、お願いする風習
ご祈祷の申込方法
ご祈祷の申込方法は神社によってさまざま。ここでご紹介するのは一般的なもので直接神社へ行き、専用の用紙に書いて申込する方法です。その他にも、予め神社へ電話またはサイトから申込可能な神社もあります。神社によっては、御祈祷の時間が予め決められている場合がありますので、必ず、各神社にてご確認ください。
1. 申し込みの手順
- 社務所に行く:神社の受付で御祈祷を申し込みます。
- 願い事を伝える:ご祈祷の申込用の用紙がある場合は、具体的な祈願内容(例: 厄除け、商売繁盛など)を書くか、〇をつけ、住所、氏名または会社の屋号なども記入する。
- 初穂料を納める:祈祷の御礼としてお金をお納めします(5,000円~10,000円が一般的です)。
- 御祈祷に参加:拝殿や本殿で神職の導きに従って儀式を体験します。
2. 初穂料とは?
神様への感謝の印として納めるお金のこと。「お気持ち」として設定されていますが、一般的な相場は神社や祈願内容によって異なります。
御祈祷で得られるといわれるご利益
御祈祷を受けることで期待できるご利益(神様から授かる恩恵)はさまざま。ここでは、よく使われるお願い事の願文を解説します。
神恩感謝(しんおんかんしゃ)
神様の恵みに感謝を捧げ、日々の無事や幸せを喜ぶこと。
厄除開運(やくよけかいうん)
厄災を避け、運を開くという意味です。人生の節目や運気が落ちていると感じるときにおすすめ。
家内安全(かないあんぜん)
家族全員が健康で平和に暮らせることを願います。家族の絆を深める大切な祈願です。
商売繁盛(しょうばいはんじょう)
事業やお店が成功し、利益が上がることを祈願します。仕事運や財運を高めたい方に人気。
企業隆昌(きぎょうりゅうしょう)
事業が繁栄し、成功を続けられるように祈願すること。
合格祈願(ごうかくきがん)
試験や受験の成功を祈ります。集中力や自信が湧くご利益が期待されます。
学業成就(がくぎょうじょうじゅ)
学問や試験で成果を得られるよう祈ること。
心願成就(しんがんじょうじゅ)
心の中の願いが叶うことを祈る幅広いご祈祷。特定のお願いがない場合にも適しています。
五穀豊穣(ごこくほうじょう)
農作物が豊かに実り、食物に恵まれた一年を願うこと。
身体健康(しんたいけんこう)
病気やケガがなく、健やかな日々を送れるよう願うこと。
病気平癒(びょうきへいゆ)
患った病が治り、健康を取り戻すように祈ること。
良縁成就(りょうえんじょうじゅ)
良い人間関係や恋愛、結婚の縁が結ばれることを願うこと。
ここでご紹介したものは一例です。神社によっては、別の願文がある場合があります。
ご祈祷後にいただける品々の解説
神社や寺院でご祈祷を受けた後には、祈願の証として御札やお守りをいただけることが一般的です。これらのものには、それぞれ特別な意味が込められています。以下は、一般的な御祈祷でいただけたものとその役割についての解説です。
1. 御札(おふだ)
御札は、神社のご祭神や寺院の仏が宿るとされる特別な札です。
家の神棚や高い場所にお祀りすることで、ご加護をいただくとされています。祈願内容によって「交通安全」「家内安全」「商売繁盛」などの文字や、ご祈祷を受ける方のお名前や会社名が記されていることが多いです。
2. お守り
携帯しやすい形状の御守りは、身につけることで祈願内容に応じた加護を受けるとされます。交通安全や健康祈願、学業成就など、用途別にさまざまな種類が用意されています。
3. お神酒(おみき)やお供物
御祈祷後にお神酒やお米、塩などの「お供物」をいただくことがあります。これは神様や仏様の力を分け与えていただくという意味が込められています。お神酒は家庭で少量をいただくことで、神様の加護を身近に感じることができます。
4. 絵馬や縁起物
特定の神社や寺院では、絵馬や縁起物を授与されることもあります。これらは祈願成就の象徴であり、家に飾ったり、神社の絵馬掛けに奉納したりします。ある神社では、御神箸が授与されることも。身近に使えるものは、飾らずに1年間お料理をする時の菜箸にしたり…というように丁寧に使わせていただくのもいいかもしれません。
5. その他の特別な品
有名な神社や寺院では、その地ならではのオリジナルグッズを授与する場合もあります。たとえば、特別な木彫りの御札や、縁起の良い動物を模したお守りなど。また、土地のゆかりのお水やお酒、和菓子やお箸、中には時期によっては神社で育てられた野菜などをいただけるときもあります。
御祈祷グッズの活用方法
御祈祷でいただいたものは日々の生活の中で信仰心を深めるきっかけになります。特に、神棚やお守りを丁寧に扱うことで、神仏への感謝の心を忘れずに生活することができます。いただいた御札や御守りの保管方法や、古くなった際の適切な返納方法も、各神社や寺院に確認することをおすすめします。御祈祷グッズを正しく理解し、大切にすることで、祈願の効果をより深く感じられるでしょう。
まとめ:ここぞというときのご祈祷のすすめ
御祈祷は、神様に願いを届ける神聖な儀式で、厄除けや開運をはじめ、さまざまなご利益が期待できます。初めてでも簡単に申し込めるので、困難に直面したときや新たな挑戦を始める際にぜひ体験してみてください。神様のご加護を受け、心穏やかに日々を過ごせるようになるかもしれません。
次回は「ご祈祷のすすめ第2弾!おすすめの神社インスタアカウント」をご紹介予定です。眺めているだけでも気持ちが整うおすすめの神社アカウントを厳選してお届けしますのでぜひお楽しみに♪
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